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2013.05.03 Friday
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■イエティ
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2013.05.03 Friday 17:32原題:Yeti
監督:ポール・ジラー
制作:2008年 アメリカ、カナダ
タイトル通り、イエティの映画である。
数ある人喰い映画の中でも、UMAものに名作と呼べるような作品はほとんどないんだが、あえてそこにチャレンジする心意気やヨシ。『スネークヘッドテラー』や『ジュラシック・レイク』で見事な“上半身喰い”を見せてくれたポール・ジラー監督作品なので、本作でもどれだけの食べっぷりを見せてくれるのか期待が高まる。
1972年のヒマラヤ山脈。標高5800メートル地点を登る3人の男。岩の裂け目を見つけ、洞窟内部に足を踏み入れていくと、その奥でいきなりイエティに遭遇して惨殺されてしまう。このイエティがまた思いっきりぬいぐるみクオリティで、先を見続ける気持ちがぐらつくが、照明やカメラアングルで誤摩化さずに正々堂々と写しているところは、逆に清々しくもある。
時は変わって現代。どこぞの名門フットボールチームが遠征のため、飛行機に乗り込んでヒマラヤを越えている。機内ではしゃぐ若者たち。シートベルトしろって言ってるのに聞いてなかったりね。死の予感がひしひしと。そのうち、「食いもの持ってない?」「なんもねーよ」「だってヒマラヤ上空だぞ。落ちたらナニ食うんだ」みたいなわかりやすい会話を繰り広げていて、いかにも墜落後の展開を連想させてくれる。
そして運命に従って飛行機は墜落。生き残ったのは10人。うち8人はたき火を囲んでその場に残り、勇敢な2人の青年は、ちぎれた機体後部に積み込まれているであろう無線機を探しに行く。で、そこにあらわれるのが30年前のあいつ、全員集合の探検隊コントなんかに出てた感じのぬいぐるみ。「志村〜、うしろうしろ〜!」のアイツ。
イエティは怪力という設定なので、人間の腕など簡単に引きちぎる。手だけを残して相棒を喰われた青年は必死に岩壁を登って逃げるが、壁が崩れて落ちた拍子に足をくじいてしまう。何か添え木にするものは……と、目についたのは相棒のちぎれた腕。そいつを足首に縛りつけ、雪深いヒマラヤの山道を歩き出す。仲間たちに無線機を届けるため。そしてイエティの存在を知らせるために。
一方その頃。たき火を囲んだ8人はお腹がへってきた。食料はもうない。一般人は1日の消費カロリーが約2600キロカロリーであるのに対して、彼らアスリートは4000から5000キロカロリーも消費する。わずかばかりのチョコレートで何日も元気でいられるわけがない。生への渇望と、人間の尊厳を秤にかける。喰うべきだという者、かたくなに拒否する者。やがて飢えは極限まで迫り、ついにガラスの破片を手にすると、冷たくなった仲間の身体に突き刺す……。
という感じで映画が盛り上がってきたところに姿をあらわして、ここまでのシリアスな展開を全部帳消しにしてくれるのが例のアイツだ。生存者の1人はイエティの姿を見て「以前、この土地で化石が出た巨大猿(ギガニピティクス)の生き残りだろう」とか言うんだが、そんなこともうどうでもいいよね。死体がジェット燃料で燃やされて黒焦げになったり、発煙筒が人に当たって顔面ザクロになったり、手刀一発で心臓を取り出されたり、様々な人体破壊描写が堪能できる。ポール・ジラー、全然成長していない信用できる男! -
■HAKAIJYU 破壊獣
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2013.04.08 Monday 14:15原題:Devil on the Mountain
監督:スティーブン・R・モンロー
制作:2006年 アメリカ
過去になんかあったらしく(はっきりとは描かれない)、ひとりクルマで旅するエリン。銀行から強奪した金を持って逃走する5人組。両者のクルマが森の入り口で衝突し、行きがかり上エリンは人質となって強盗らと森の奥へ逃げ込んでいく。だが、その森の中では、ときおり恐ろしげな咆哮が響き渡っている。なんかいるのだ。なんでしょう?
日本版のDVDパッケージには“Devil on the Mountain”とあるけど、IMDbで引くと“Sasquatch Mountain”なんてタイトルが出てくるので、サスカッチ──ようするにビッグフット系の獣人ってことなんだろう。実際、姿をあらわすと全身毛むくじゃらの巨大な獣人……というか、ほとんどギリースーツそのまんまのようにも見える。
で、こいつが主に銀行強盗たちと、それを追ってきた保安官たちを襲うわけだが、その襲い方が、なんというか手ぬるいんだな。ハグして肋骨折ったらもう放り出す、みたいな感じ。人間との身長差的には頭からゴリゴリ食いついても不思議はないのに、それをしない。手足をもいでしたたる血を啜ったりもしない。じゃ、なんのために人を襲ってるのかというと、ま、野生動物のことを考えたら常識なので遠慮なくネタバレするけど、子供がいるからなのね。多分このサスカッチ、母親なんだろうな。
冒頭でランス・ヘンリクセン扮する男の回想シーンみたいなのがある。何かの事故で妻を亡くした場面。いろいろ省略されすぎていてよく事情がわからないのだが、妻の死後、男手ひとつで娘を育ててきたヘンリクセンは、執念のハンターみたいな存在になっている。
最後は当然、サスカーチャンとの対決になるわけだけど、このシーンもなんだかよくわかんなかったな。いつの間にやらカーチャンは深手を負っていて、ほとんど虫の息だし。おそらく、撮影前の展望としては「獣人に妻を殺された男と、人間に夫を殺された獣人との悲しい復讐の話」になるはずだったんじゃないだろうか。 -
■キラー・ゲーター
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2012.02.14 Tuesday 13:58
監督:アミル・ヴァルニア
制作:2010年 アメリカ
『ジョーズ』が「サメの正面顔」というサメ映画ビジュアルのスタンダードを作ったように、横向きワニがかぱぁと口を開けているこの『キラー・ゲイター』のビジュアルはワニ映画のスタンダードとなるのだろうか?
ならない。
なぜなら、本作より前の2007年に『ディノクロコダイル』や『ラプター』がすでに同じことをやっているからだ。みんな考えることは一緒。
監督は『アウトブレイクX』『キラースネーク』のアミル・ヴァルニア。一度でも人喰い映画を撮った監督は、その後もまた人喰い映画を撮ってしまいやすいの法則は健在。
舞台はアメリカ南部のとある町。大きな沼がひろがる土地で、たくさんのワニが生息している。この町へ20年ぶりに帰ってきたローラは、亡き父の土地でクルーズ業を営んでいた。そしてなぜか、ローラの別れた夫チャールズもやって来ている。元生物学者のチャールズは、トラのクローンを作ろうとして大学を追放された人物だ。何しに来たのかはなんとなく想像がつこうというものだろう。
こうした状況の中、町では獣害による住人の惨殺事件が起こりはじめる。やがて、ローラもその事件に巻き込まれていくのだった。
謎の獣の正体は、DVDジャケに思いっきりワニが描かれているのでまあワニなんだけど、ちょっと違う。詳しくは見てのお楽しみ。
なんとか怪物をズタズタにして町に平穏を取り戻したところで、ローラは新しい彼氏の保安官にこんなことを言う。
「寿司が食べてみたいわ」
意味わかんないよね。それに対して保安官はこう言う。
「SUSHI? この事件の直後に寿司とはたいしたもんだ」
ようするにナマモノつながりってことなんだろう。外人さんの寿司に対するイメージがよくわかる。 -
■フローズン
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2012.01.24 Tuesday 10:37
監督:アダム・グリーン
制作:2010年 アメリカ
もしも!! スキー場のリフトに取り残された状態で係員さんが電源を切って下山しちゃったとしたら──!?
そりゃ下の雪がまだ柔らかいうちに飛び降りるか、着ているウェアをつなぎ合わせてロープにしてそれを伝って下へ降りるよなあー。普通ならそう考える。でも、この映画の主人公たち3人はバカなので、つまんない痴話喧嘩をしたりしてるうちに日が暮れて、雪面はどんどん凍りついて飛び降りられなくなってしまう。助けを呼んでも声は届かない。素手で安全バーを触って貼り付いてしまう。おまけに腹ぺこウルフもやってくる。
『オープンウォーター』シリーズなどと同様の、取り残されて極限状況に陥るシチュエーションスリラーだ。ただ、この『フローズン』の主人公たちは係員を騙してリフトにタダ乗りするような連中なので、どんなにヒドい目に遭ってもあんまり同情はできない。ゆえにサスペンスとしては弱い。でも逆に考えれば良心の呵責を感じることなく彼らの悲劇を楽しめるわけで、むしろありがたい。
まだリフトが動いていたとき、呑気に「どんな死に方がイヤか」を語り合う3人。やっぱ何物かに喰われて死ぬのがイヤだよね……って、露骨に伏線な方向へ会話が流れていくと、オタクなジョーは「喰ってから1000年で消化するサーラックがイヤだ」てなことを言う。サーラックってのは『スターウォーズ』に登場する巨大アリ地獄みたいな奴ね。たしかにあいつには喰われたくないわー。
結局、サーラックじゃなくてオオカミくに喰われたジョーくん。肉食のオオカミは人間の20倍も高濃度の胃酸を分泌するので、軟骨なんかも素早く消化されるんだよね。よかったよかった。 -
★人喰いニュース(2011年12月17日)
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2011.12.17 Saturday 11:16■ネズミの三倍の重さ 世界一重い昆虫 無理無理無理無理。
■「人肉を食べてみた」 オランダのテレビ番組司会者が番組内で互いの肉を食べあって実験、物議を醸す どこまで食べあっても死なないか実験してみせてよ
■人間を食べるときの注意事項など。 おいしそうな気がしてきた。
■5メートルの大蛇の腹を切ったら消化されてない鹿がそのまま出てきた ヘビは牙しかないから咀嚼できない
■凶暴ザルに襲われ格闘、取り押さえたが死ぬ サル対70歳
■【大洪水】とんでもないワニが脱走、捕獲されている件 当初タイだと言われたけど、フィリピンだった模様
■スーパーの中でマンボウが死んでるw 新妻がこれを買って帰って華麗にさばく
■【Youtube】Bear Gets High On Mushrooms クマ対ベニテングダケ -
■メガ・シャーク vs ジャイアント・オクトパス
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2011.10.22 Saturday 11:50■150万年前のケンカの続きをさせてあげよう
原題:Mega Shark vs Giant Octopus
監督:ジャック・ペレス
制作:2009年 アメリカ
[巨][ス][続]
おそらく最初はネタ切れ打開のための苦し紛れから生まれたアイデアだと思うのだが、『○○○○対△△△△』という、2体の怪物を戦わせるスタイル(それをタイトルにしたもの)が、人喰い映画業界でのひとつの勢力を形成しつつある。古くは『キングコング対ゴジラ』や『エイリアン vs プレデター』なんてのがあり、これらには有名なモンスター同士を対決させることでファンの期待を煽る、という効果がある。
その延長上に本作『メガ・シャーク vs ジャイアント・オクトパス』もあるわけだが、いくら異質なものを組み合わせたところで、サメもタコも人喰い映画的に新鮮なネタとは言い難い。そこで制作者たちがどうしたかというと、どちらも極端にデカくしたわけだ。その結果、人喰い映画だか怪獣映画だかよくわかんない映画が出来上がったのだった。
アラスカ沖チュトコ海。どこぞの軍がヘリから海中に低周波探知機を投下し、何かの極秘実験をしていた。なんの実験だかわからないが、極秘だから仕方ない。この低周波の影響で、鯨の群れが狂い出してしまう。海洋学者のエマ・マクニールは、潜水艇で海中探査をしている最中に偶然この鯨の集団暴走を目撃する。
狂った鯨たちは氷塊に体当たりすると、割れた氷の中から何かが姿をあらわした。それは、150万年前に封じ込められていた2匹の巨大生物だった。すなわち、メガ・シャークとジャイアント・オクトパスだ(長いので以下、サメとタコと呼ぶ)。
このあと、2匹は離ればなれになり、タコは油田プラントを襲い、サメは飛行中の旅客機に襲いかかる。低空飛行のセスナじゃないんだ。高度1万メートルを飛ぶ旅客機だよ。「え?」と思うよね。思わずDVDプレイヤーを巻き戻して見直したもん。このあたりから、もうこの映画が尋常な企画の元に作られたものでないことがわかる。
主人公のエマ(懐かしやデビー・ギブソン)は、日本から応援にきた科学者のドクター・シマダとあっという間に恋に落ちる。怪物2匹の対策もままならないというのに、激しく乳繰り合うふたり。事後のピロートークでお互いの“匂い”が好き……とかなんとか囁き合っていたところで、いいアイデアを閃いてしまう。「フェロモンでおびき寄せよう!」って。それは別にかまわないんだけど、周りの人にこのアイデアをどうやって思いついたのか尋ねられたらどうするんだろうかね。
ま、そんなこんなで2匹をおびき寄せ、あれやこれやの戦いがあって、最後はそれほど驚くような展開にもならずに平和が取り戻される。人類の危機はふたりの体臭が救ったというわけだ。 -
★人喰いニュース(2011年10月12日)
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2011.10.12 Wednesday 17:31ご無沙汰しております。
■“巨大人食いイノシシ”大暴れのモンスタームービー『人喰猪、公民館襲撃す!』予告編 10月22日よりシアターN渋谷にて
■『人喰猪、公民館襲撃す!』ハードコアチョコレート&テロファクトリーとのコラボTシャツ発売 これ欲しい。
■“韓国のアンジー”主演! 初の本格3Dアクション『第7鉱区』のポスター&予告動画が公開 怪物がしつこくておもしろいよ。
■池に人食いザメが棲むゴルフ場 なんかおもしろいお話が作れそうだな。
■洪水でワニ100匹脱走 タイとかベトナムとか、しょっちゅう洪水でワニが逃げてるよ。柵、低いんじゃないの?
■獅子は千尋の谷に落ちた子供を救助することが判明 谷底ライオンは都市伝説。
■“人食い殺人鬼”ハンニバル・レクターのTVドラマ制作へ レクター博士役は未定。 -
■メガ・ピラニア
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2011.02.27 Sunday 08:18■映画の完成度さえも破壊する破格の巨大魚
原題:Mega Piranha
監督:エリック・フォルスバーグ
制作:2010年 アメリカ
[巨][群][乳]
そこは南米の大河、オリノコ川。ひと組のカップルがやって来て水に入る。もちろん目的は水中セックス。だが、そこにピラニアの大群がやって来て、二人は乳繰り合うヒマもなく食われてしまう。人喰い映画の導入部としては見慣れすぎた光景。
一方、別の地点では、お金持ち風の御一行様がボートでオリノコ川を上っている。アメリカ大使と、ベネズエラ外相だ。両脇にはトップレスのおネーちゃんをはべらせている。で、この人たちもやっぱりピラニアに喰われてしまう。それもボートごと!
アメリカ本国では、大使が消息を絶ったのは何らかの陰謀に巻き込まれたのだと判断し、特殊部隊員ジェイソンをベネズエラへ送り込む。こいつが、現地で知り合った三人の生物学者と力を合わせて人喰いピラニアに立ち向かうわけだが、このピラニア、どこかおかしい。それもそのはずだ。なぜなら、食料自給率を上げるために遺伝子操作していたピラニアが逃げ出して、36時間ごとに2倍の速度で成長しているから! と、事情を知っている博士たちはペラペラ教えてくれる。
最初のうちは、他のピラニア映画と同じく“群れの脅威”だったものが、巨大化していくうちに群れとか関係なくなって単なる怪獣化していく。しかも、いつの間にか心臓が2つになり、両性に進化し、空まで飛べるようになって、映画はますます混沌の度合いを深めていく。こいつらが町を襲撃するシーンの絵面はマヌケで素晴らしい。クライマックスでは『ディープブルー』の“あのシーン”をヘボくした感じの名場面もあって、なかなか楽しめる良作だ。 -
■人喰いTシャツのご案内
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2010.12.02 Thursday 14:20辰巳出版より『人喰い映画祭』を刊行した際に、寺田克也氏に描いていただいた表紙イラストがTシャツとなって、オンデマンドTシャツショップ「TEE PARTY」にて販売中です。 価格は1着3500円(税別)で、送料は無料。 寺田克也ブランドの他にも、「TEE PARTY」には映画評論同人誌『Bootleg』のブランド「Bootleg Wear」シリーズもあって、こちらにはデザインコンセプトでわたしも参加しています。よかったらチェックしてみてください。
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■シャーク・イン・ベニス
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2010.11.02 Tuesday 17:11原題:Shark in Venice
監督:ダニー・ラーナー
制作:2008年 アメリカ
■サメの都で冴えない中年男が宝探し
水の都ベニスで、水路の底に潜って何かしている連中がいる。ドブさらい……なわけはなく、水の底から掘り出した看板には「メディチ家」とか書いてある。そう、メディチ家の失われた財宝を探しているのだ。と、そこにあらわれる人喰いザメ! なんでこんなところにサメが? との疑問にはちゃんと理由があるんだけど、それはさておき、宝探しをしているメンバーは無惨にも喰われてしまう。そのうちの一人が主人公のお父さん。父の死の謎を解き明かすためにやってきた主人公フランクは、偶然にも財宝のありかを発見してしまい、マフィアに追われたり、サメに襲われたり、散々な目に遭うのだった。
だいたいの設定とかストーリーの流れからすると、主人公はトム・クルーズか、ハリソン・フォード的な役者がやるべきだと思う。もちろんその二人はどう考えてもギャラ的に折り合いがつかないので無理なんだけど、ならば似た雰囲気の無名な役者でもいいと思うんだよね。ところが、どうしたわけか主役のフランクは腹がブヨブヨのうえに、さほどハンサムでもない中年のおっさんなんだな。これはいったいどうしたわけか。おまけに婚約者ローラを演じたヴァネッサ・ヨハンソンも、美人には違いないけど最初から最後までずーっと無表情で、まったく演技というものをしない。しなさすぎて、むしろ何かの伏線なのかと不必要にドキドキしたぐらいだ。演技できないなら、せめて脱ぐか、派手にサメに喰われるかしろい! と思った。
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