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■鳥
ドイツ版の鳥原題:Die Krähen
監督:エッツァルト・オネッケン
制作:2006年 ドイツ

 またしても鳥類パニック映画の牙城に食い込まんとする作品がひとつ。ドイツ産の人食いカラス映画『鳥(とり)』であります。原題の「Die Krähen」とはカラスのこと。でも、それを『烏(カラス)』とはせずに、わざわざヒッチコックの名作と同じ『鳥』という邦題を付けたところに、配給会社の強い意志というか、無謀な試みというか、うっかり間違って買ってくれねえかなー、といった願望のようなものが見え隠れしています。
 冒頭、謎の業者が巨大な木箱をクレーンで積み替えていたところ、うっかりミスで木箱が落下。ひしゃげた箱の隙間からは、大量のカラスが出てきました。作業員は、まるでニワトリでも捕まえるような仕草でカラスに近づきますが、それで狡猾なカラスが捕まえられるわけがない。カラスの群れは人間をあざ笑うように、どこかへ飛び去っていってしまうのでした……。
 主人公は女獣医のアレックス。家族と一緒にバーベキューパーティーをしていたところ、カラスに生肉を奪われるという被害に遭いました。カラスは、最初に数羽が囮となって人間の気を引きつけておき、その隙に本隊がテーブルを急襲して肉を奪うという、見事な頭脳プレーを見せます。職業柄、アレックスはいち早くカラスの異変に気がつき、調査を開始。やがて、何者かによる妨害が入り、問題はカラスだけではなく、その背後に何らかの組織が存在することがわかってくるのです。
 アレックスは妊娠中という設定で、事件解決のために大きなお腹を抱えてどたどた走りまわります。コーエン兄弟の『ファーゴ』では女性署長が妊娠中であることが物語に深みを与えていたけれど、本作ではそこまでの意味はないみたい。ラストで無事に子供を出産したアレックスと、カラスに新しい子供が生まれているシーンとを対比させる、っていうのをやりたかったんだろうな。
| とみさわ昭仁 | トリ | comments(0) | trackbacks(0) |
■キリング・バード
キリング・バード 原題:Killing Birds-Uccelli Assassini
別名:Dark Eyes of the Zombie
別名:Raptors
別名:Zombie 5: Killing Birds
監督:クロード・ミリケン(クラウディオ・ラタンツィ)
制作:1987年 イタリア

 大学の研究活動でバードウォッチングに出かけた学生たちが、真面目に観察したり、痴話喧嘩したりするうち霧に巻かれ、不気味な洋館にたどりつく。そこで謎の殺人鬼に殺されたー! と思ったら気のせいだったり、寝てるところをナイフで刺されたー! と思ったら夢だったり、突然炎が燃え上がったー! のはいいけれど、とくに理由はなかったり、結局、本当に殺されてしまったり、理不尽な恐怖が次から次へと襲いかかってくるのです。別名に「ゾンビ5」とあるように、じつは当時流行したゾンビの便乗ものだったりするので、鳥パニック映画としての要素は残念ながらほとんどないのでした。
 全体的に意味不明な演出が怖さを増している残虐スプラッターホラーですが、謎の館の謎の主として登場する名優ロバート・ボーンが、映画全体をかろうじて引き締めてくれています。というかボーンが出てなかったらどうなっていたんだろうかこの映画。
| とみさわ昭仁 | トリ | comments(0) | trackbacks(0) |
■烏
からす 原題:Kaw
監督:シェルドン・ウィルソン
制作:2007年 アメリカ

 また『鳥』かよ! と思われた皆さん、フォントサイズを大きくしてみてね。鳥(とり)じゃなくて烏(からす)なのよ。
 かの『』でもカラスは出てきましたが、あちらでは出番を控えめにすることで、むしろ漆黒のカラスが出てきたときのビジュアルがより不気味に感じられたものです。それにひきかえ、こちらは最初から最後までカラス出ずっぱりですので、むしろインパクトは弱まってるように思われます。ま、カラス映画なので仕方ないんですけど。
 ちょっと珍しい要素としては、キリスト教のメノナイト派(16世紀にプロテスタントのなかから派生した再洗礼派)の人々が出てきて、物語にからんでくることですね。よく似た集団のアーミッシュは『刑事ジョンブック』で日本でも有名になりましたが、彼らの源流とも言えるのが、このメノナイトです。メノナイトが映画に出てくるのは、これが初めてじゃないですかね。目のないところにカラスは立たない。駄洒落がうまく機能しませんでしたな。
| とみさわ昭仁 | トリ | comments(0) | - |
■バード・パニック
バード・パニック 原題:Beaks
監督:ルネ・カルドナ・ジュニア
制作:1987年 スペイン、イタリア、プエルトリコ、ペルー

 鳥をあつかったパニック映画には、ヒッチコックの『』という鳥傑作、ちがう、超傑作があるわけですが、無謀にも同じテーマに挑戦して見事玉砕した、勇気ある作品がこれです。
 ある日、世界各地で鳥たちが反乱を起こします。カモメの大群が人間に襲いかかったり、ニワトリが飼い主に逆襲したり、庭のタカが老ハンターの目をえぐったり、公園のハトポッポが子供たちを追いかけ回したり……。場所も、鳥の種類も問わずに、鳥族が人間に対して一斉に牙をむきはじめたのです。牙ないけど。
 で、主人公の美人レポーターと恋人のカメラマンが、各地を取材したり、鳥に襲われたり、二人で泡風呂に入ったりしながら、事件を追っていきます。追っていって最後はどうにかなるのかというと、とくにどうなるわけでもなく、鳥が勝手に反乱をやめちゃうんですけどね。そのへんはヒッチコックのも同じでしたね。鳥が人肉をついばむシーンをきっちり描いている分だけ、こっちのほうが人喰い映画としては上でしょうか。
 ちなみに原題の「Beaks」とは、猛禽類などの鈎型に曲がった嘴(くちばし)のこと。だから本当ならニワトリとかハトポッポは含まれないんですよね。でもまあいいでしょ。人喰いハトポッポ、かわいいし。
| とみさわ昭仁 | トリ | comments(0) | - |
■鳥
鳥 原題:The Birds
監督:アルフレッド・ヒッチコック
制作:1963年 アメリカ

 鳥に突かれるという小さな事件からだんだん鳥の驚異が膨らんでいく展開とか、人間関係をしっかり描写することで鳥の叛乱という異常事態をリアルに見せるシナリオとか、人間を襲う厄災としての鳥(カラス)と家庭の平和の象徴としての鳥(ラブバード)の対比構造とか、燃え上がるガソリンスタンドの空撮にカモメが滑空しながらフレームインしてくる構図の見事さとか、主人公の車(ライトブルー)と妹のカーディガン(からし色)とヒロインのスーツ(若草色)というように人間側は淡い色味で揃えておいて、だからこそ漆黒のカラスの群れと人間の流す鮮血が一層恐ろしく感じられる色彩設計とか、見所を挙げはじめたらキリがない動物パニック映画の古典的傑作。
| とみさわ昭仁 | トリ | comments(4) | - |